老後資金の確保と投資について

「老後資金は2,000万円が必要」と報道されて以降、老後資金をどうやって確保したらいいのか、例えば、このところの低金利の時代で、貯金だけでは2,000万円の資金はなかなか確保できません。

そこで、注目されるのは投資という考え方になります。

老後資金を確保する1つの手段として、何らかの投資をする必要があるのかもしれません。

ここでは、投資の考え方と投資先を見ながら、将来の老後資金にはどう備えたらいいのかを探ってみましょう。

老後資金の必要性

一般的なサラリーマンの場合、定年が65歳となっていますが、退職後は年金しか収入がなくなってしまいます。

日本の平均寿命は90歳近くなっていますので、定年後は少なくとも25年程度は生存することになります。

そう考えると、さすがに年金だけでは生活が厳しくなるので、現役のうちに老後の資金を何らかの方法で確保しておくことが必要です。

その場合、具体的な金額を金融庁が算出した結果が「2,000万円は必要」ということになります。

この話は今更ながらでもありますが、「やっぱりね」という感想を持たれる方のほうが多いのではないでしょうか。

こうした背景を踏まえて、将来の概ねもらえる年金額を自分で確認しながら、定年後の25年間はトータルいくらかかるのかは若いうちから試算しておくべきでしょう。

例えば、自分は今まで同様に贅沢したいとなれば、2,000万円では足りないのでは?ということになります。

老後資金を投資で確保するには

昔は銀行などの金融機関の預貯金の金利が高く、100万円を10年程度預け入れしていたら、倍額の200万円になったという時代がありました。

そういった時代であれば、老後資金を貯金で確保するという考え方が当たり前の時代でしたが、現代の世の中では、かなりの低金利のために、なかなか預貯金だけではお金が貯まらない時代です。

そこで、効率よくお金を貯めるには、やはり何らかの投資でお金を増やしていくということを考える必要があります。

老後資金を投資で確保するというのはなかなか難しいものですが、サラリーマンの方では企業型の確定拠出年金でお金を運用することがおススメの1つです。

これも投資の1つであり、掛金は会社が負担し、会社が用意した運用商品の中から自分で商品を選んで資金を運用するものです。

これは会社に帰属している間に長期的に運用ができ、しかも都度運用先を見直すことで、結構な運用資金を得られる場合があります。

このほかに、社内の持ち株制度というものもあり、一例として会社が自社株の購入資金を1%補助してくれる場合もあります。

例えば、毎月3万円で自社株を買う場合、会社がその1%を負担してくれる訳ですから、投資先の1つとして考えるべきしょう。

この持ち株も1,000株になれば、一般市場での売買もできますので、自社の株価が高いときに売却するということもできます。

このように、サラリーマン時代に会社の福利厚生をよく理解して、将来のための資金を確保することが必要です。

また、サラリーマン以外の方でも平成29年からは個人型確定拠出年金(iDeCo)が基本的に20歳以上60歳未満の全ての方で加入できるようになっており、例えば、専業主婦や自営業者、公務員の方も加入できるようになっています。

このように、身近にある投資先を見つけてうまく利用することがいいでしょう。

投資の考え方

投資と言われると、何となく騙されるとか大損するというような悪いイメージがあります。

確かに、株式にかなりの金額を投資して巨額の損失をしてしまったというニュースは耳にします。

しかしながら、すべての人が投資によって損をするというわけではありません。

投資の考え方は色々とありますが、基本的には「安く買って高く売ること」と「長期保有による収益の確保」にあります。

これは、いわゆる「キャピタル・ゲイン」と「インカム・ゲイン」と言われ、例えば、株式で見ると株価が安い時期に購入し、大きく株価が値上がりした場合に売却してしまうと考え方と、大きく値上がりするまでの間、保有して株式の配当金を得るという考え方になります。

また、投資先は分散させておく必要があります。

先ほどの株式だけに投資する「1本足打法」では、万が一のことを考えるとすべてのお金を失うこともあるので、他の投資先を併用して投資することが重要です。

いわゆる、リスク分散をしてお金を運用するという考え方が必要になります。

投資の種類

では、お金の投資先にはどういったものがあるのでしょうか。

先ほども触れましたが、確定拠出年金や持ち株制度も投資先になります。

また、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になるNisa口座を利用して運用する方法もあります。

そのほか、よく言われるのは株式や債券、投資信託、不動産、金や絵画などが挙げられます。

これらは一定のリスクがありますが、大きく利益を得ることができる場合があります。

逆に大きく損失を被る場合もあり、投資先には十分な理解が必要不可欠になります。

これに対して、安全性を重視するのであれば、やはり貯蓄以外にはありません。

したがって、お金の運用を考えると貯蓄と投資の2本立ては必然でしょう。

投資先としての不動産投資はどうか

ここで少し不動産の投資について触れておきたいと思います。

お金の運用先として不動産に投資する場合があります。

カボチャの馬車やスルガ銀行問題で話題になりましたが、アパートやマンションを買って家賃収入で収益を得るというものです。

こうした不動産投資には株式などと異なり、手間と維持コストが意外にかかる点です。

加えて、不動産はその場所や人気に大きく左右されがちで、いざ売却しようと思っても有効需要がなければ売値も付かずその価値はゼロになります。

例えば、株式は日々売り買いがあり、換金しやすいのですが、不動産の場合は取引のコストも高く換金性が低いということを理解しておく必要があります。

投資家の間では、不動産に投資をするということはキャッシュに余裕があり、万が一売却が難しい状況に陥ってもその不動産を維持できるということが前提になっています。

したがって、投資先の優先順位としては最後の投資先という概念があります。

やはり、換気性の高い株式や債券といったペーパーのモノを優先していることが伺えます。

こんな事例があります。

とある30代前半のサラリーマン、将来の年金や老後の不安から不動産投資のセミナーに参加しました。

セミナーの話を聞くと老後資金不足を煽られてしまい、不動産投資をすることでその不安が解消されるがごとくの内容とのこと。

間髪を入れずに、投資物件の購入をすることになってしまいました。

その際、自己資金はなしでも物件が買えると聞いて、とりあえずは自分のお金も出さないのでいいと思ったそうです。

購入した不動産はいわゆる区分のワンルームマンションで、しかもトータル3戸、6,000万円に近いフルローンで購入しました。

結果、毎月4~5万円の持ち出しをしないと運用できない代物で、将来の年金のために毎年70万円近く払うことに陥りました。

ローン返済が終わる30年後まで、この持ち出しが続くとなれば、トータル2,100万円のコストがかかり、そこまで持ち出しをしてまで老後の年金代わりにするには、あまりに大きな代償であることに気がつきました。

結果、早期に売却をしておいた方がいいという考えになりました。

このように、安易に不動産投資会社の勧誘には乗らないことでしょう。

将来の老後資金に備える

最近の若い世代では将来の年金は当てにできないという観点から、何らかの投資をした方がいいのではないかと考えています。

そう考えると、先ほども触れましたがお金の運用としては貯蓄と投資という考え方が必要です。

貯蓄はなかなかできないと耳にしますが、給与から強制的に天引きされる形態を作ることがポイントです。

例えば、財形貯蓄や定期預金などの商品を利用して、コンスタントに貯蓄をしていくことが将来の大きな備えにはなります。

また、サラリーマンであれば、会社の福利厚生を利用して投資をすることでしょう。

一定額の範囲内で確定拠出年金や持ち株制度を利用した投資して、長期的な運用をしていくことでしょう。

まとめ

今までみてきましたが、老後資金は短期間ではなかなか確保が難しいものです。

したがって、若い世代のうちから投資や貯蓄を心掛けて、将来に備える必要があります。

ただ、老後資金2,000万円問題が出てからは投資セミナー等が一段と増えています。

中には、セミナーで老後資金不足を煽って、自社商品を買わせるという販売手法がありますので、そういった話には簡単には乗らないことでしょう。

こうした背景から、まずは自ら投資に対して勉強することが必要です。

特に、お金に係わる知識は学校では学ぶ機会がないため、皆さんにとっては苦手な範疇です。

ですから、こうした機会にお金にまつわる投資や運用といった知識を学んで頂ければと思います。

あくまでも、投資は自己責任ですからね。

著者情報

人物
氏名 寺岡 孝(アネシスプランニング株式会社 代表取締役)
職種 住宅コンサルタント・住宅セカンドオピニオン
専門分野
不動産売買・住宅建築コンサルタント
不動産投資コンサルタント
相続・保険・ローンコンサルタント
保有資格
ライフ・コンサルタント
不動産投資アドバイザー
相続診断士 など