家事や育児で忙しい主婦でも続けられる貯金の方法

テレビやスマートフォンにて平均貯蓄額のニュースを観ても、「余裕がある人の話」「自分とは関係が薄い」と他人ごとだと思っていませんか?

2019年に金融広報中央委員会が行った『家計の金融行動に関する世論調査』によると、30歳代の平均貯蓄額は529万円であり、中央値は240万円となっています。

中央値は実態に近い数字と言われているため、思うように貯金ができていない主婦の方にとっては、ドキッとしてしまう数字ですよね。とはいえ、主婦は子育てや家事など日々の生活に追われ、いざお金を貯めようと思ってもお金のやりくりは難しいものです。

そこで当記事では、貯金から目をそむけてしまっていた主婦でも続けられる貯金の方法を、ファイナンシャルプランナーである私が紹介します。

約8割の世帯が将来のために貯金をしている

これから貯金を検討している主婦の方のなかには、「本当にみんなお金を貯めているの?」「主婦だといくら貯金しておけばいいの?」と感じている方もいるでしょう。

2019年に金融広報中央委員会が公表した『1世帯当たり金融資産保有額』によると、約7割~8割の人が何かしらの金融資産を持っていることがわかります。

【1世帯当たりの金融資産保有額】
世帯主の年齢 金融資産の保有率 調査対象の総数
20歳代 77.1% 48世帯
30歳代 84.2% 336世帯
40歳代 81.3% 614世帯
50歳代 78.2% 671世帯
60歳代 76.3% 695世帯
70歳以上 68.9% 829世帯

※参照元:金融広報中央委員会『1世帯当たり金融資産保有額』

30代の平均貯蓄額は529万円である一方で、貯蓄がゼロ(金融商品を保有していない)人は、2人以上の世帯においてすべての世代の合計で23.6%となっています。

世代別で貯金をしていない世帯を見ると20代は22.9%と高めですが、30代は15.8%、40代は18.7%とかなり減っていることがわかります。30代~40代の人は、子どもの学費や住宅の購入について考えて、貯金への意識が高まっているからと言えそうです。

世代別の金融資産保有率を見て「貯金がない人も多い」と感じた主婦の方もいるかもしれません。しかし、逆の見方をすれば20歳代から40歳代の世帯のうちの約8割は、将来のために賢くお金を貯めていることがわかります。

お金は、夢を叶えたり不安を軽減させたりできるツールの一つです。「4世帯に1世帯でお金を貯めていないなら我が家も大丈夫!」と安心せず、主婦の方はコツコツお金を貯めていきましょう。

お金を貯めたい主婦は貯金の苦手度をチェックしておく

貯金を考えている主婦の方は、お金を貯め始める前に「貯金に挫折してしまうタイプなのか?」という点をチェックしておきましょう。自分が貯金に挫折しやすいタイプかどうかかわかれば、いざ貯めようと思ったときに何から始めていいかのヒントになります。

まずは貯金を始める前に、自分がどれだけ貯金が苦手なのかをチェックしてみましょう。

【貯金の苦手度を測るチェックリスト】

□新商品や限定品はつい買ってしまう。
□老後もなんとかなると思っている。
□お金の話をすることをためらってしまう。
□給与明細は、振込額しか見ない。
□バーゲンはお得だ。
□家計簿を書いたことがない。
□通帳を3ヶ月記帳していない。
□保険の内容は忘れてしまっている。
□税金・年金の仕組みはわからない。
□好きなおかずから食べるタイプだ。

□が0~3個「貯金の苦手度 0%」
今は貯金があまりできていなくても、お金に対して意識することができています。貯金のリズムができればガッチリ貯められるタイプです。
銀行のオート定期預金など、毎月金額を決めて貯まる仕組み作りをするとよいでしょう。

□が4~7個「貯金の苦手度 50%」
やりくりを考えずにお金を使ってしまいがちで、貯金が続かないタイプです。まずは家計簿をつけて、収入と支出のバランスをしっかり把握してお金を貯める体質を作っていきましょう。

□が8個以上「貯金の苦手度 90%」
チェックが8個以上あった人は、貯金が苦手な可能性が高いです。「お金が余ったら貯めよう」「来月からがんばろう」のように、貯金することを後回しにしていませんか?
収入が入ったと同時にお金を貯められる“先取り貯金”を活用して、それ以外のお金で毎月やりくりするリズムを身に着けていきましょう。

貯金が苦手な主婦でも上手にお金を貯められる計画の立て方

貯金の苦手度チェックの結果はいかがでしたか? 仮に貯金の苦手度が高かった主婦でも、毎月の給料や支出に合った計画を立てて、少しずつお金を貯めていきましょう。

とはいえ、生活費にゆとりがないと貯金はできません。お金を貯めようと決意したら、まずは我が家の「今」を把握することから始める必要があります。

【上手にお金を貯められる計画の立て方】
  1. 我が家の総資産を把握する
  2. 毎月貯金する金額を定める
  3. 目標達成のために月々の収支を明確にする
  4. 節約をして貯金するための資金を作る
  5. 自動的にお金が貯まる仕組みを活用する

どうしても貯金が苦手で続かない人は、上手にお金を貯めるために、順を追って計画を練ってみてください。

ステップ1:我が家の資産総額を把握する

貯金計画を立てたい主婦は、自分の家の資産総額を把握することから始めてみましょう。通帳以外に資産があるケースもあり、通帳以外にも資産があることがわかると、これからのモチベーションアップにつながります。

資産総額を見直すときは、金目のモノを洗いざらいチェックして、いま現金化するといくらになるかを確認しましょう。具体的には、貯金や投資信託、そして保険を解約した場合にいくらの資産が見込めるかなどを確認することをおすすめします。

万一、通帳以外に資産がまったくない場合でも、次のステップで毎月の貯金額の目標を立てて、貯金生活をスタートすれば問題ありません。

ステップ2:毎月貯金する金額を定める

なんとなく「お金を貯めなければ」と目的があいまいだと、貯金は続きません。貯金をしたい主婦は、まず具体的に目標を設定しましょう。

【毎月の貯金額を決めるための目標例】
  • 来年に家族でディズニーランドに行くために20万円を用意したい
  • 5年後に200万円の車を買いたい
  • 15年後までに長女の大学進学のために必要な300万円を用意しておきたい

貯金を始めたい主婦には、将来必要なお金が「いつ」「いくら」必要なのかを具体的な目標をイメージすることがおすすめです。

例えば、5年後に200万円の車を現金で買いたい主婦であれば、60か月で200万円を貯める必要があるので「200万円÷60か月=3万3333円」と計算します。

具体的な計算をすれば、「目的を達成するためには毎月約3万3000円ずつのお金を貯めていけばよい」とイメージできますね。

ステップ3:目標達成のために月々の収支を明確にする

貯金する目標額を設定しても、そもそも毎月赤字なら貯金はできません。特にお金を貯められない主婦は現実から目をそむけがちなので、しっかりと毎月の収入と支出を明確にしてみましょう。

【貯金をしたい主婦が明確にすべき収支一覧】
収入 給料 月の手取りとボーナスの手取りはいくらか? 毎月の収支がトントンでもボーナスを貯金にまわせるケースもあります。
支出 固定費 毎月の支出はいくらか?(光熱費・保険・通信費・住居費・習い事・給食費など)
流動費 具体的に何にいくら使っているか?(食費・日用品費・レジャー費・雑費など)
臨時費用 年間いついくらかかるか?(塾の夏期冬期講習・車税・固定資産税・帰省費用・旅行など)

貯金計画を立てていてもお金が貯まらない大きな原因は、貯めてきたお金を臨時費用のたびに取り崩すことです。上手にお金を貯めたい主婦は、見込まれる臨時費用を計算して、必要なお金をあらかじめ別に保管しておきましょう。

ステップ4:節約して貯金をするための資金を作る

収支を計算した結果が赤字だったとしても、「もうダメだ」とあきらめてはいけません。

収支の結果が赤字だった主婦は、支出をスリム化して貯金のための資金を作っていきましょう。なかでも固定費の見直しをすると、翌月からの支出をずっと減らすことができるので、効率的にお金を貯めたい主婦におすすめです。

【節約しやすい固定費と具体的な方法】
固定費 具体的な方法
通信費 格安スマホに切り替える。または契約プランを見直す。
保険料 提供している会社のサービスや料金を比較して、不要なものをやめる。または安い保険に切り替える。
電気代 電力自由化になっているので、居住地域内で利用できる電力会社の料金を比較して乗り換えを検討する。
習い事 3つ以上の習い事をしているならリストラを検討する。

特に通信費と保険料は、見直すと毎月の節約効果が大きい項目です。上手にお金を貯めたい主婦は、面倒がらずに見積もり比較からスタートするとよいでしょう。

ステップ5:自動的にお金が貯まる仕組みを活用する

目標を立てて家計を把握して節約もしていざ貯めようと思っても、貯まる仕組みを活用しないと効率的にお金が貯まっていきません。特に貯金が苦手な主婦の方は、自動的にお金が貯まる仕組みを活用してみましょう。

たとえば、毎月決まった日に貯金額が自動引き落としされる「オート積立定期」などの商品が挙げられます。また、学資の準備なら「学資保険」、老後資金なら「iDeCo」や「個人年金保険」、運用も兼ねるなら「つみたてNISA」など、目的に応じた商品を選択しましょう。

なお、お金が貯まる仕組みの選択肢が多くて迷ってしまった主婦は、プロのファイナンシャルプランナーに相談するのも方法の一つだと覚えておいてください。

誰でも始めやすい主婦の貯金術にトライしてみる

ここまでは、少し堅めな貯金のセオリーを紹介しました。「自分にはハードルが高いな」と思われた主婦の方は、まず簡単な貯金術からトライしてみましょう。

【誰でも始めやすい主婦の貯金術】
  • つもり貯金
  • 500円玉貯金
  • 児童手当放置貯金

ここからは、貯金ゼロから成功したご相談者様の中から、3名の主婦の貯金術を紹介します。

つもり貯金

つもり貯金であれば、節約を楽しみながらお金を貯めることができるので、貯金が苦手な主婦の方にもおすすめです。「つもり貯金」とは、お金を使った“つもり”になって、使うはずだったお金を貯めていく貯金術のことです。

たとえば、地下鉄に乗らず自転車で買い物に行ったら地下鉄に乗ったつもりで200円を貯金。クリーニングに出さずに自宅でワイシャツを洗ったら出したつもりで180円を貯金。

他にも、クーポンの割引きでランチに行ったら払ったつもりで500円のように、頑張ってお金を使わない工夫をして、使わなかったお金を貯めていきましょう。

なお、実際に1年間で貯金額が2万円ほどになった主婦の方は、家族で回らないお寿司を食べに行ったと喜んでいました。

500円玉貯金

500円玉貯金では、お財布の中身を確認しながらお金を貯めることができます。そのため、やりくりが苦手でも少しずつお金を貯めていきたい主婦の方におすすめの方法です。

500円玉貯金用の貯金箱は、100円ショップにあり、なかには10万円を貯められる物もあります。単純計算で500円玉を200個入れたら10万円です。

お財布に500円玉があり、貯金箱に入れても生活費がきつくないなと思うタイミングでゆるく貯めていくと無理なく続けられます。

仮に1か月間で8枚の500円玉を入れたら25が月で貯金額が10万円に。「貯まったら温泉旅行」のような家族の夢を貯金箱に書きつつ、パパを巻き込むのも成功の秘訣です。

児童手当放置貯金

児童手当放置貯金では、ほったらかしで教育資金を貯めることができます。そのため、将来お子さんのために使うお金を貯めたい主婦の方にはおすすめの方法です。

児童手当放置貯金とは、毎月支給される児童手当を引き落さずに放置することでお金を貯める方法です。こどもが3歳までは月1万5000円、3歳から中学卒業までは月1万円が給付される児童手当は、世帯主名義の指定口座に振り込まれます。

生活費で使っている口座を指定すると、いつの間にか児童手当分のお金がなくなってしまいがちです。一方、普段使う機会が少ない口座を児童手当の送金先に指定しておくと、手をつけず自然とお金を貯めていくことができます。

中学校卒業まで給付となっているため生まれ月によって総額が異なりますが、誕生日から中学卒業までで最大198万円になるので、大学資金の一部にすることも可能です。

まとめ

よほど世帯の収入が多くない限り、意識して実行しないと貯金はできません。貯金が得意ではなくても、収入が少ないからとあきらめずに楽しみながらお金を貯められる方法でトライしてみましょう。

がんばって貯めたお金で実現できた楽しみごとは、きっとご家族にとって特別なご褒美になるはずです。

著者情報

人物 プロフィール写真_FP稲村様
氏名 稲村 優貴子( FP For You 代表 )
職種 ファイナンシャルプランナー
専門分野 家計相談、ライフプラン作成、離婚カウンセリング、iDeCo・NISAなど投資、保険
講師業務(企業の福利厚生セミナー、不動産セミナー、女性向けマネーセミナー等)
メディア出演(HTBテレビイチオシ!コメンテーター、HBCラジオ他)
執筆業務「年収の2割が勝手に貯まる家計整え術」(河出書房新社)日経WOMAN他
保有資格 CFP®、心理カウンセラー2級、野菜ソムリエ、
日本学生支援機構スカラシップアドバイザー、小林豊子着物学院着付助教授