20代が貯金するコツは?目標の立て方とお金を貯める

20代は社会人としてのスタートを切り、多様なライフステージの変化の可能性がある年代です。一方で、収入は低めであまり余力がないのも特徴です。

このコラムでは、そんな20代が未来に向けてしっかりと資産形成をしていく方法について、ファイナンシャルプランナーのアドバイスをもとに考えてみましょう。

まずは、手が届く貯金目標を設定する意味でも、20代の金融資産のデータを参照しつつ、「いくら貯めればいいか?」「どうすれば確実に貯められるか?」を考える必要があります。

そして、思うようにお金を貯められていないのであれば、「タイプ別にどう貯めていけばいいのか?」について、実際的な方法を検討していきましょう。

貯金目標を立てるために20代の貯蓄・金融資産を把握する

貯金の目標を立てるために、まずは20代の貯蓄や金融資産のデータを見てみましょう。20代でも、2人以上世帯か単身世帯かで金融資産額に違いがあります。

【表1:20代の金融資産】
世帯区分 2人以上世帯(世帯主20代) 単身世帯
金融資産を保有 77.10% 54.80%
金融資産保有額* 平均220万円(中央値165万円) 平均198万円(中央値80万円)
金融資産の内訳* 220万円=預金106、財形貯蓄21、生命保険38、個人年金保険14、株式5、投資信託9、他27 198万円=預金133、財形貯蓄7、生命保険10、個人年金保険8、株式24、投資信託7、他9
手取り収入に対する貯蓄割合(貯蓄しなかった世帯含む) 平均10% 平均16%
金融資産の保有目的(複数回答、上位)* 病気や不時の災害への備え54.1%
子どもの教育資金45.9%
旅行・レジャーの資金40.5%
老後の生活資金29.7%
住宅取得・増改築など27.0%
保有していれば安心43.2%
病気や不時の災害への備え41.2%
旅行・レジャーの資金31.1%
老後の生活資金28.5%
耐久消費税の購入31.1%

*金融資産保有世帯のみの回答
参照元:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(2019)」

20代の世帯のうち、金融資産を保有している割合は、2人以上世帯が77.1%で単身世帯が54.8%です。金融資産の保有額は、2人以上世帯で平均220万円(中央値165万円)、単身世帯で平均198万円(中央値80万円)でした。

金融資産の内訳では、いずれの世帯も多いのは預金です。しかし、2人以上世帯の方は生命保険や個人年金保険などの保険による貯蓄が目立ち、単身世帯では株や投資信託が上位に入っています。

金融資産の保有目的には、2人以上世帯と単身世帯で明確に違いが現れています。「病気や不時の災害への備え」として生活予備費はいずれも意識しているものの、2人以上世帯では「子どもの教育資金」が上位で、単身世帯では「目的はないが保有していれば安心」が最も多い回答です。

手取り年収からの貯蓄割合は、2人以上世帯が平均10%であるのに対し、単身世帯は平均16%でした。といっても、これは貯蓄をしなかった世帯も含む平均ですので、実際に貯蓄している世帯に限れば、もっと高い割合で貯蓄できていることが想定されます。

金融資産がない(=貯蓄は0か、多少あってもすぐに使いきる程度)世帯が2人以上世帯で22.9%、単身世帯では45.2%もあることを考えれば、特に単身世帯で貯められる人と貯められない人の格差が大きいと言えそうです。

20代が貯めるべき金額は生活状況やライフプランによって異なる

では、20代はいくら貯めればいいのでしょう? この答えは、個々に異なります。同じ20代でも、未婚か既婚か、子供の有無、どんな夢があるか、どんなライフプランを描いているかで全く違ってくるからです。

ただし、誰にも共通して確実に必要な貯蓄が“生活予備費”です。病気やケガをした、失業し
た、会社が倒産したなど、人生は何が起こるかが分かりません。そんなときの家計の防波堤として、生活費3~6か月分を常時、持っておく必要があります。

それに加えて、住宅購入の頭金や諸費用分、子供の教育費、起業資金など、未来のために必要と思われる目的別貯蓄をします。下記の表のように整理してみると、目標金額や具体的な貯め方が見えてきます。

【表2:目的別貯蓄プランの例】
目的 目標額 月の貯金額 具体的な貯め方
生活予備費 60万円 5000円 生活費の3か月分が目標。普通預金と定期預金。
レジャー費 10万円 5000円 自動積立定期。
教育資金 250万円 1万5000円 高校卒業後の学費として、中学卒業までに貯める。学資保険とつみたてNISA。
老後資金 まずは200万円 1万円 目標額は徐々に上げていきます。つみたてNISA。

※筆者作成

漠然と「貯めたい」と思っているのであれば、1つの目安として、前項の平均貯蓄額超えを目標にするのもアリでしょう。20代の平均貯金額は、2人以上世帯で220万円、単身世帯で198万円でした。お金を貯めているうちに、目的が見えてくることもあるでしょう。

また、手取り額に対する貯蓄割合をマイルールとするのも1つの方法です。手取り額の2割を貯蓄に回す癖をつければ、効率的にお金を貯められます。たとえば、社宅で家賃が安い場合や実家暮らしであるなら3割。これを維持できればばっちりです。

お金を貯められない人は原因別に対策を考える

20代は「貯蓄なし世帯」も多いようですので、まずは貯められない原因をもとにお金の貯め方を考えてみましょう。

【お金を貯められない原因と対策】
原因 対策
あればあるだけお金を使ってしまう 給料天引きの財形貯蓄や自動積立定期
目標が定まっていない ゲーム感覚で貯蓄プランを立てる
固定費がかかりすぎている 固定費を減らす工夫をする
収入が低い 資格取得やスキルアップを試みる

お金を貯められない自覚がある20代の人は、自分がどのタイプに該当するのかをチェックしてみてください。

あればあるだけ使ってしまうタイプ

銀行口座に預金があると、つい財布のひもがゆるんでしまいます。あればあるだけお金を使ってしまう20代の人は、給与天引きの財形貯蓄や銀行の自動積立定期など、効率的に貯められる方法を検討してみてください。

準備期間が長い教育資金や老後資金などは、インフレリスクに備える意味でも一部につみたてNISAなど投資信託の積立てを組み合わせるのもいいでしょう。つみたてNISAは毎月口座からの振替(年間40万円まで)で最長20年間運用できる投資信託の積立てです。

つみたてNISAには、配当や売却益が非課税になるメリットがあります。しかも、低コストで運用実績のある投資信託等に限られているため、投資ビギナーでも始めやすいのが特徴です。金融機関によっては月500円の積立から始められますよ。

目標がないので貯められないタイプ

貯金ができない20代の人のなかには、「その気になればいつでも貯められる」と自信があるのに、やる気にならずにお金を貯められない人もいますよね。

目標がないことから貯金ができないタイプの人は、目標を明確にして具体的な貯畜計画を立てて、ゲーム感覚で貯め始めるとお金を貯められそうです。1度、先述の貯蓄プランを作ってみてはいかがでしょうか?

具体的には、貯金の目的と必要な金額を設定し、そこから「月にいくらのお金を貯金に回すべきか?」と考えることをおすすめします。

固定費過多タイプ

毎月確実にかかる“固定費”が多いことが原因で、貯蓄ができないタイプの人もいますよね。

住居費(住宅ローンや家賃)や車関係費(マイカーローン含む)、保険料、通信費、その他のローンや奨学金返済などの「固定費」が年収(手取り)の5割を超える場合は、2割を貯蓄に回すのは難しくなるでしょう。

お金を貯められない原因が固定費過多の場合は、家賃が低いところに引越す、住宅ローンや保険を見直す、車をなくす、格安スマホにするなど、固定費を減らす工夫が必要です。

収入が低すぎて貯められないタイプ

節約を徹底しても貯められない状況にある20代の人は、貯蓄以前に収入アップを図ることが重要です。

雇用保険に入っているのであれば、教育訓練給付制度(認定された学校で講座を受講し修了すると、一部を雇用保険から補助してもらえる制度)を活用できます。教育訓練給付制度によって、資格を取ったりスキルアップを図ったりして、より収入が高い仕事に変えていってみてください。

そのほかにも、夫婦世帯で片働きなら共働きをするなど。お金を貯められない状況であっても、生活予備費だけは死守しましょう。

資産形成の基本はコツコツ積立てをすること

最後に、効率的に貯蓄をするための積立てについて整理しておきます。資産形成をしようと思ったとき、王道といえるのが積立です。1度設定してしまえば、あとは自動的にお金が貯まるからです。

積立ては、職場の財形貯蓄や銀行の自動積立定期などがベースです。教育資金なら一般財形や学資保険、住宅取得資金なら住宅財形などが挙げられます。

5年超使わない資金で投資系の積立を始めるのであれば、“つみたてNISA”が良いでしょう。つみたてNISAは年間40万円まで(最長20年)の投資信託の積立てで、配当や運用益が非課税になるというメリットがあります。

投資商品は、金融庁が定めた条件に合う長期の分散投資に適したものに限られているので、ビギナーでも安心して始められます。たとえば、毎月3万円の積立てを行うなら、2万円は財形貯蓄か自動積立定期、残り1万円はつみたてNISAで行うという組み合わせで行うのもいいでしょう。

20代は「貯め癖」を付ける大事な年代。20代の人はコツコツ積立をして、資産形成を頑張ってみてくださいね。

著者情報

人物 プロフィール画像_豊田眞弓様
氏名 豊田 眞弓( FPラウンジ 代表)
職種 永続家計アドバイザー(FP)、金融教育講師
専門分野 人生100年時代のライフプラン、住宅取得・住宅ローン、教育資金準備と奨学金、保険商品研究、家計見直し術、ビギナー向け投資術(iDeCo、NISA)、金融リテラシー教育
保有資格 AFP、住宅金融普及協会住宅ローンアドバイザー、日本学生支援機構スカラシップアドバイザー、相続診断士、終活アドバイザー